【ONE PIECE】私の居場所~アナタの隣に居たかった
第7章 六式使いと覇気
ジャブラは朝から機嫌が良い。鼻歌を口ずさみながら司法の塔内を闊歩していた。
「…ギャサリン///」
そう。理由は給仕のギャサリン。お気付きだろうが、彼女はジャブラの想い人。
そんな彼女が朝食後の珈琲を入れてくれたのだ。彼女としては給仕としての業務の一環としてした事だか、残念な頭のジャブラはたったこれだけの事で告白の決意を固めつつあった。
そんなジャブラの耳に入ってきた話し声。
「おの娘可愛かったなぁ///」
「あぁ、スタイルも良かったし…今度声掛けてみようぜ!」
(あぁ、女の話か)
ジャブラは海兵達が普通に女の話で盛り上がっていると思ったが、海兵が続けた内容で慌てて振り返った。
「カリファさんといいあの娘といいCP9の女はレベル高いよなぁ」
(CP9だと!?カリファ以外の女は…あいつしか居ねぇ)
「おい、その女はそんなに良いのか?」
ジャブラはこう見えて常識人。自分のとこの新入りに何かあっては困ると思い牽制しようとした。
「ひぇ!?ジャブラさん!?」
「どうなんだ!?」
「あの、えーっと…」
会話が聞かれていたことに慌てる海兵はジャブラの視線に冷や汗が止まらず上手く言葉が出てこない。
するとピリピリした雰囲気とは真逆の明るくのんびりした声が響いた。
「当たり前じゃないですか~彼女は素敵な女性ですよ♪」
ジャブラが振り返ると、茶色のくせ毛の童顔な男がニコニコしながら近付いてきた。
「お前誰だ?…何故昨日ウチに入ったばかりの新入を知っている?」
「あ、すみません。僕はCP8所属のコリンです。ミスティとは道中一緒だったので。復唱しますが、彼女は素敵な女性ですよ!…ね?レン兄ぃ?」
コリンという餓鬼がレン兄ぃと呼んだ先にはジャブラも良く知る青年…ルッチ程ではないがCP内では有名な男だ。腕を組み壁に背を預けて静かに答えた。
「興味無い。」
(スティルハートか…)
スティルハート・レイン。現在CP8所属で実力は折り紙付だとカリファが言っていた。コイツが有名なのはその実力は勿論だが外見の貢献度合が高いと俺は思っている。男の俺から見ても羨む位の整った容姿をしている。所謂"イケメン"で女にモテる。
レインに見えない嫉妬の炎を燃やすジャブラをスルーし海兵にコリンが尋ねた。
「丁度、僕も彼女に用があって…どこに行けば会えますか?」
