【ONE PIECE】私の居場所~アナタの隣に居たかった
第3章 全てが崩壊した日
(…何だか身体が痛い。真っ暗で何も見えない。)
(…私は何処にいるんだろう?)
(…海の上に居たのに急に船が火にのまれた気が。)
(…おかしいなぁ。それに誰かと居たはずなんだけど…)
(…誰か?あ、サボだ。あれ?サボ?嫌だよ、1人にしないで、サボ!)
『サボっ!!』
大声で叫んだと同時にハッと目が覚めた。眩しくて目が慣れるまで時間がかかる。
?「目が覚めたぞ!」
?「ドラゴンさんに報告だ!」
バタバタ──
見慣れない格好の人達に囲まれており自分の状況がどうなっているのか今のミスティでは理解出来なかった。
暫くして──
部屋に男の人と顔が物凄くデカくてメイク激しめ性別不明の人が入ってきてミスティに声を掛けた。
?「…気分はどうだ?」
『……。』
?「あら?声が出ないの?…あ!ヴァターシのこの美貌に驚いていチャブルのね!」
『……いいぇ』
?「んま~~~そこは否定すチャブルのね!ヒーハー( ๑º言º)」
ミスティに否定された顔のデカい人は地団駄を踏んで大騒ぎした。
?「イワ…静かに。それで、君、気分はどうだ?」
『…身体は痛いですが大丈夫です。あの、それよりサボは!?サボはここには居ないんですか!?』
?「あの少年はサボと言うのか。…ここには居るがあの少年は君より重症だ。今も治療中だ。」
『助かるんですか?助かりますよね?』
必死に問いかける少女に周りの大人達は何も言うことが出来ない。
『…お願いです。サボを助けてください!お願いします。私の大切な人なんです!お願い…サボを…助けて…』
最後は祈るような少女の姿に、イワと呼ばれていたものが声を掛ける。
「ヴァナータにこれを伝えるのは酷かもしれないけど…ドラゴンがヴァナータ達を連れて戻ってきた時は正直助けられるとは思わなかった。でも、ヴァナータは見た目よりは傷も浅かった。きっとサボって子がヴァナータを必死に守ったのね。ヴァナータにとってあのボーイが大切なように、ボーイにとってもヴァナータは大切なのよ!」
『…イワさん』
「少年の為に我々も最善を尽くす。」
『…ドラゴンさん』
ミスティの知る大人とは天と地程違うと感じ、心が温かくなった。
『有難うございます。有難うございます!』
ミスティは何度も頭を下げ続けた。