シロイ、ヒカリ / Hunter×HUNTER カイト夢/
第16章 叶わぬ、ネガイ
「…来たか、ケイ」
まるで待っていたかのように、その人は協会の入り口に立っていた。
普段決してに表に顔を出さない人。
世界が誇るダブルハンターの持ち主。
何より…
カイトが、最も尊敬し、
超えたいと思った人。
「ジンさん…」
…あぁ。
そうなんだ。
こんな時に、
この人がここにいるなんて。
めんどうくさがりで、
協会には滅多に来ない、
この人がここにいるなんて。
私を、待っていたなんて。
もう…
もう、カイトは……
「…ケイ!」
ジンさんの声が遠くなる。
私は、冷たい地面に崩れ落ちた。
胸元の鍵が、チャリン、と。
冷たく響く音を聞いた。