第1章 始まり
やっと長い授業が終わって、はあ……力を抜く。途中寝そうになったけど、起きていられた。
先生がいなくなったから、私は黒板の字を消そうと黒板消しで文字を消す。
たくさん文字を書いてる。
消すのが大変だ。
『(それより、上の部分届くかな)』
私の身長は、あまり高いとは言えない方。
背伸びして、消そうとする。
『(無理、かも…友達に手伝ってらおう……)』
そう思った時、誰かがもうひとつの黒板消しで上の部分と、残っていた文字も消してくれた。
チラ、と見てみると藤ヶ崎くんだった。
『あ、藤ヶ崎くん…ごめん、ありがとう……』
何故か心臓をバクバクさせながらお礼を言った。でも手伝ってくれて、嬉しかった。
「ううん。僕も週番だから」
藤ヶ崎くんは、私が持っていた黒板消しをスッと、とって「綺麗にしてくる」と黒板消しを叩きに行った。
これじゃあ、藤ヶ崎くんに任せっきりだ。
どうにかして私も藤ヶ崎くんと同じくらい仕事をしたい。