第2章 往昔
はすかさず、風呂場に向かった。
中に入った精子を取り出そうとする。
──酷い。酷い。最低…
そう思いながら自身の秘部に手を伸ばすが、思っていたより自分では取り出すことが出来なかった。
すると、樹戸が来てシャワーの蛇口を捻って湯を出した。
『……ぁ、』
「脚、開いて」
そう言われては、素直に脚を開いた。
ぐいっ、と片方の脚を持ち上げられる。
壁にもたれ掛からせて、の中に指を入れた。
『…っ』
くちゅ、にちゅ、くぷっ…
風呂場に音が響く。
不思議と恥ずかしさは感じなかった。が、涙が出てきそうだった。
『(こんなこと、するなら中出さないでよ…)』
取り出すなら最初から中に出さないで欲しかった。
えっちだってしないで欲しかった、そう思いながら涙が零れないように我慢する。
本当にこれ大丈夫なのか、と不安になったが樹戸に任せることにした。
出していた湯が身体にかかって、少し寒くなってきた。樹戸も少し服が濡れていた。
は明日風邪ひくかも…と心配になった。