第2章 往昔
来週からテスト期間。
前回のテストよりいい点数がとりたくて、私は夜遅くまでリビングでテスト勉強をする。
お母さんもお父さんもいないから何も言われないで、集中してできる。
2人とも帰って来ないのかな、と思っていた時にお父さんが帰ってきた。
「まだ起きていたんだ」
『うん、来週からテストだから』
お父さんが私の隣にきて、腰を下ろした。
その瞬間お酒の匂いがした。
たくさんお酒を飲んだんだろうな。
いつもは全然飲まない人なのに。帰りが遅かった理由は飲みに行ったからなのかな。
「分からない所ある?教えるよ」
いつも教えて貰っているから素直に教えて貰った。
塾の先生だから、教え方が上手でわかりやすい。
いつも問題が解けた時に頭を撫でられていた。正直嫌だったけど、嫌だとは言えない。
でも今日はいつもより気持ちが悪かった。
ベタベタと体を触られていた。
酔ってるんだ、と心の中で思った。
お父さんはお酒強くないはず。横にいられるだけでお酒の匂いがするから、これは絶対に酔っている。
嫌だな、と思った時に無理矢理キスされた。
『んっ…!?』
唇が離れた時に、「かわいいね」と耳元で囁かれた。