第1章 始まり
それから約1ヶ月後。
母は籍を入れた。
私はその事を自分の事のように喜んだ。
母が結婚して4年目のある日私の実父が、交通事故で亡くなってしまったから私もあまり覚えていないけど悲しかった。
だからまた母が愛する人と結婚が出来て本当に良かったと思う。母はきっと幸せだろう。
母は帰ってくる日が少なくて、樹戸さんと一緒にいる所をあまり見ていない。けど、一緒にいる時は本当に仲が良かった。
正直樹戸さんをお父さんと思えるか自信はない。
少しずつ「お父さん」って呼べたらいい。
これから幸せに家族と過ごしたい。
なんて子どもなのに、そんな勝手に願った。
でも、そんなに簡単に幸せになれるわけなかった。