第12章 番外編~選んだ理由~
藤の家紋の家の庭の縁側で休憩している炭治郎と善逸。
『桜雪さんって~凄い美人だよね〜凄い可愛いっ!!』
突然、そんな事を言い始めた善逸。
目がハートになっている。
『善逸…あの人だけはダメだっ!!』
真顔で善逸の肩を持って言う炭治郎。
『知ってるよ〜…相手が誰か知らないけどさ…明らかに誰かに恋してる音がするしさぁ〜…はぁ~桜雪さんみたいな人が俺のお嫁さんだったらなぁ〜あんな事して〜こんな事して〜ご飯作ってもらって〜お帰りなさいアナタ♡とか言ってもらって〜あぁぁぁーーーーー!!』
『あァ??桜雪がなんだってェ?』
『ぎゃーーーーーーー!!』
善逸が振り向くとそこには物凄くブチ切れている実弥がいた。
『あ、不死川さん!!』
呑気に言う炭治郎だが興味ない様子で善逸を睨みつける実弥。
『た、た、た、炭治郎っ!?なんで俺!!こんなに睨まれてんのっ!?え?意味わかんないんだけどっ!!意味わかんないんだけどっ!!てか、怖いんですけどっ!!』
騒ぎ出す善逸。
『やっぱり…善逸は知らなかったか〜…』
呆れたように言う炭治郎。
『え?え?何が?』
戸惑う善逸。
『桜雪さんの相手はこの不死川さんなんだよ。同じ匂いがするじゃないか!!』
キリッとした顔で言う炭治郎。
その炭治郎の言葉に後ろを向いて匂いを嗅ぐ実弥。
『ウソでしょっ!?ウソって言って!!あんなに可愛いくて可憐な人がこんな傷だらけのヤクザみたいな人があの人の恋人なわけないじゃんっ!!こんな人がご飯作ってもらって〜お帰りなさいアナタ♡とか言ってもらってんでしょっ!!ありえないよっー!世の中腐ってるわーーーーー!!禰豆子ちゃーーーーん!!』
さらに騒ぎ出す善逸……