第9章 鬼化寸前
『やっぱり…離れて…無理…』
桜雪は実弥を押しのける。
『何が無理なんだよっ!!』
『気づけよっ!!色んな感情が溢れて鬼化する恐怖の中で…好きな人が稀血で…好きな匂いを嗅いで…血を見せられたら…血の匂いを嗅いだら…我を失うに決まってんだろっ!!』
『だったらどうするってんだよォっ!!俺を襲うってのかァっ!?やれるもんならやってみろよっ!!』
『やれないからっ…やれないからっ!!困ってんだろっ!!あたしだってどうしたらいいか分かんないんだよっ!!実弥の事が好きで好きで…何もかもおされられないんだよっ!!…っ!?』
実弥は桜雪を抱きしめた。
『だったら…抑えるなァ…俺の前でだけでいい…楽にしろよォ…』
『実弥…』
『なんだァ?』
『大好き…』
『あァ…俺もだァ…』
『好きすぎて…変になりそう…』
『変にしてやろうかァ?ご無沙汰だったろォ?』
実弥は桜雪の顎をクイッと持ち上げてニヤリと微笑んで言った。
『分かんない…実弥と離れてから天元がよく来てくれて…朝になったら隣に天元が寝てることがよくあって…あたしに記憶はないし…もしかしてやらかしたかなって思って聞いても誤魔化されるし…』
『あァ?なんだそりゃァ…宇髄とヤッたってのかァ??』
青筋を立ててキレる実弥。
『いや、だから…記憶ないから分かんないのっ!!』
『柱合会議が終わったら…覚えておけ…』
『いやだぁっ!!』
『うるせェっ!!行くぞっ!!』
桜雪は実弥と柱合会議に向かった。