第30章 終結そして、新しい未来へ
彩弥が生後半年を少しすぎたあたり、タイミングよく鬼舞辻無惨が動いた。
根城となる町外れの洋館に集まった鬼殺隊士たち。
昔よりも力をつけていたのか、隊士が多かったせいかは不明だが上弦下弦の鬼は苦戦はしたものの、倒した。
後は無惨を倒すだけ。
『あの時にいなかった柱もいるな。宇髄天元…桜雪の育て親だそうだな?我が娘が世話になった。そこは感謝しよう。』
無惨は宇髄を見ながら無表情で言った。
『ハッっ!!別にお前に頼まれてした事じゃねえよ!!地味に勘違いしてんじゃねぇっ!!』
宇髄は無惨を嘲笑いながら言った。
『フン…まぁいい。もう一度聞こう…桜雪…鬼になって…私と一緒に暮らさないか?』
優しい口調で桜雪に語りかける無惨。
『あたしは…昔…鬼であることを後悔した。何度も死にたいと思った。でも…死ねなかった。苦しいだけだし…それに…鬼でもいいって…人を襲ったら止めてくれるって言ってくれた人がいて…嬉しかった…この人が好きなんだって思った。鬼だとか稀血だとか人間だとか…そんなのどうでもいい。ただ…その人が…不死川実弥という1人の人が好きで愛した。今、こうやっている世界でも会えた。ちゃんと気づいてくれて真っ先に伝えてくれた。でも…お前は違う。あたしを駒として扱い…都合よくあたしを扱う。あたしは鬼の血が流れていようとも。お前を殺して…この身が滅んでも…あたしとお前は違うって証明してみせる!!』
桜雪は長々と語っていたが、無惨の最期の父親としての情けなのだろうか?
しっかりと耳を傾けていた。