第28章 出産準備と戦闘準備
実弥の機嫌は密かに悪くなっていく。
自分で桜雪と用意しようと思っていたのに自分は何もしていない。
置いてきぼり状態。
それでも、貰ったことに関しては感謝しているし複雑な気持ちになってきていた。
玄弥は午前中の授業が終わって昼休みに数学準備室という第2の実弥の部屋と化している場所に向かった。
『兄貴…』
『玄弥ァ…学校ではそう呼ぶなって言ってんだろうがァっ!!』
『今は兄貴として話したいんだ。』
『なんだってんだよォ…』
『最近さ…俺らに当たり散らすの辞めてくれない?どうせ、理由は桜雪さんとの事だとは思うけどさ…桜雪さんにもよそよそしいしさ…』
『………。』
『皆が色んなもの用意しちゃってるから気に入らないんでしょ?』
『うるせェ…』
実弥はそう言ってアイコスを吸い始める。
『あのさ…いい歳した大人が拗ねてどうすんのさ…』
『拗ねてねェ…』
『それを拗ねてるって言うんだよ。明らかに桜雪さんに対しての態度も違うし…炭治郎、善逸、俺に対しての当たりがつよいしさ…』
実弥は玄弥に言われて確かにそうだと思った。
気づかずにイライラして当たり散らしていたかもしれない…
『とりあえず…早くどうにかして当たり散らしてくるの辞めてくれよ!』
玄弥はそう言って教室を出ていった。