第1章 鬼の子
『酒の呼吸…壱ノ型…瞬殺・鬼殺し…』
目に見えない程のかなりのスピードで鬼を倒す鬼殺隊隊士。
その名を天晶 桜雪
今の産屋敷家の当主である産屋敷耀哉の妹の娘なのである。
鬼舞辻無惨によって連れ去られ孕まされた。
それで出来たのが桜雪だ。
血肉すら口にせず鬼として強くならない桜雪を見限った無惨は桜雪と母親と妹諸共、殺した。
しかし、鬼であるが故に桜雪は死ななかった。
保護された場所は産屋敷耀哉邸だった。
その後、子供の居ない夫婦の元で育った。
しかし、その夫婦は鬼によって喰い殺されてしまった。
桜雪は産屋敷耀哉から育手を紹介して貰って鱗滝左近次の元で修行に励んだが、水の呼吸が上手く合わなかった。
そして、出来上がったのが酒の呼吸。
酔えば酔うほど飛躍力や技などの威力が上がる。
水の呼吸の派生と思いきや、風の呼吸の派生なのか?など物議を醸しだすような特殊な呼吸らしい。
そんな桜雪の隊服はと言うと平成の時代で言うところの特攻服そのもの。
豊満な胸はサラシで隠してある。
背中の部分には〖悪鬼滅殺〗と書かれている。
『あのさ、アンタ…稀血でしょ。しかも、すごく特殊な分類の稀血。』
桜雪の後ろにいる傷だらけの青年に向かって冷たい口調で桜雪は言い放つ。
『だったら、なんだってんだよ。』
『血に頼ってばかりの戦い方だとさぁ…いつまでも強くなれない。ずっと癸でいる気なの?』
『うるせェんだよっ!!偉そうにすんなっ!!』
桜雪の言葉に青年は怒鳴り散らした。
『鍛錬を積み重ねたからこその柱だよ?偉くて当たり前。悔しかったら追いついてみなよ。』
そう言って日輪刀に付いた血を払いながら桜雪は言った。
桜雪の持っていた日輪刀は刃は背の部分は黒で波打つような透明な透き通ったガラスのような模様がある刃先の日輪刀だった。
ガラスのような部分からはその先が見えてしまうのではないかと思うくらいに無色透明なのだ。
鍔は白い菊の花の形だ。
耳には紫水晶の勾玉と珠の耳飾りがついていた。
長い髪は高い位置で結われていた。