第21章 いざ!!レッツゴー!
傷も塞がり、退院した実弥。
どうやら…学校のほうには通り魔に刺された事になってるらしい。
さねみんファンクラブの女子達は復帰してきた実弥を取り囲んでいる。
桜雪はそれを無表情で見ている。
その場から去ろうとすると
『天晶…ちょっと待てェ…』
実弥から呼び止められた。
『なんですか?不死川先生…可愛い女子生徒たちがいるじゃないですか。先生の事を心配してくれるいい生徒たちに囲まれて良かったじゃないですか。』
振り向いて桜雪は冷たく言い放った。
『ねぇ〜さねみん〜天晶さんもそう言ってくれてるから〜私達ともっとお話しよ〜よぉ〜』
女子生徒の1人が実弥の腕に抱きついて猫なで声で言う。
今は親達が下手なことをすると乗り込んでくる場合だってある。
その為、振り払って突き飛ばすことも出来ず…
実弥は…
『頼むから…離れてくれェ…』
と言うのが精一杯だ。
桜雪もそんな事は分かっている。
しかし、その女子生徒にも実弥にも腹が立った。
桜雪は女子生徒の扱いに困る実弥を置いてその場を去った。
桜雪はそこからずっと機嫌が悪かった。
それでも、必死に平静を保とうとしていた。