第3章 火をつけたのは…
ー…なんだ?
少し躊躇いながらも煉獄は戸を開けた。
すると、着物を肩にかけたままの姿で
姿見の前で自身の身体を掻き毟るが目に入った。
よほど強い力で引っ掻いたのか、
白く柔らかな肌からは所々血が滲んでいた。
何をしている!やめるんだ!
堪らず手を押さえ、煉獄は止めに入った。
れ、煉獄さんっ…。
み、見ないで…見ないで下さい…。
その声音は羞恥からくるものではなかった。
泣きながら煉獄に背を向けようとする。
しかし、手を押さえてしまっている為それは叶わない。
煉獄がの傷跡に視線を向ける。
上から引っ掻いてはいるが、傷がついた箇所には全て、宇髄がつけたであろう赤い痕が白い肌のあちこちに浮かんでいた。
み、みな…いで…!
煉獄さんには…見られたくな…い…
はその跡を消そうと自身で傷付けていたのだ。
煉獄はその痛々しい傷にゆっくりと顔を寄せ、
上から優しく舐め上げた。
自身の身体に煉獄の舌が這う感覚に、身体をピクリと震わせた。
れ、煉獄さん…?っぁ、なに…を…?
…このように、傷をつけるのはやめてくれ。
俺が、宇髄の痕など全て消してやる。
煉獄はその身体についた傷ごと舌を這わせ、宇髄の痕を消し去るかのように上から吸い付き、新たな赤い花を散らしていく。
密かに慕っている相手から与えられる快感に、
先程よりも強い熱が身体の奥から溢れてくるようだった。
…っ!…んっはぁ、あっ…ぁ…
だんだんと足から力が抜けて、
その場にペタリと座り込んでしまうと、
煉獄にゆっくりと肩を押され、優しく組み敷かれた。
煉獄…さん…。
、俺は君を慕っていた。以前から。
あのような事があったばかりで戸惑うかと思うが、本心だ。
君の傷を俺が癒してやりたいと思う…嫌か?
…っいや、じゃありません…っ
私、も、煉獄さんの事お慕いしてました…っ
2人は見つめ合い、
どちらからともなく唇を重ねた。