第18章 ヤマモモ *
部屋着を脱ぎ捨てて“いつか”とずっとしまってあった桃花を大切にするためのソレを取り出し微かに震える手で自身の欲へと纏わせる。
そっと蜜口へと当てがうと不安そうな表情で小さく腰を引く桃花。
「大丈夫。怖くない。」
濡れて艶めく花びらの間をぬるぬると遊ばせて、敏感な蕾を優しく撫でると“きてほしい”というように蜜口がひくりと動く。
『ま、待って...?』
桃花の望むことはなるべく叶えてやりたい。
俺の想いだけを押し付けるようなことはしたくない。
だからずっと待ってた。
「ごめんな。もう待てない。桃花が欲しい。」
ここでまた待ってしまったらきっとまた後悔する。
「初めて逢った日からずっと桃花のことが好きだ。ずっとこうしたかった。」
桃花を泣かせたくない。
桃花を大切にしたい。
だからずっと待ってた。
ぽろぽろと落ちていく涙を見ても今日ここで待ってしまったらきっとまた後悔する。
「ごめんな。泣いても多分もうやめてやれない。」
頬を伝う涙を舐めとって、少しづつ桃花の中へと腰を押し進めていく。
「俺に大事にさせて。」
『ん...。』
初めて桃花と一つになれる悦びに昂ってしまう気持ちを無理矢理抑え込みながら桃花を傷付けてしまわないように壊れものを扱うかのように優しく腰を進めていくけれど、桃花の中は狭くてなかなか奥までは辿り着けない。
「桃花、力抜いて?」
『んぅ...。』
桃花自身の身体にも力が入り、狭い中でさらに締め付けられるとこれ以上身動きが取れなくなってしまう。
「...っ、はぁ...桃花...。」
まだほんの少ししか繋がっていないというのに、深くまで一つに繋がることができたのならどれだけ気持ちがいいのだろうか。
「もっと奥まで桃花のこと教えて。」
まだ知らない桃花を俺にだけ教えて欲しい。
『ん...。』
そっと唇を重ねゆっくりと舌を絡ませていると自然と桃花の身体から力が抜けていく。
「はぁ...上手。」
浅いトコロで何度も行き来を繰り返し、少しづつ桃花の中へと自身を届けていく。