第16章 イカリソウ *
今までとは違った、果てへと導くような動きで桃花の中を出入りする。
ちゅぐちゅぐと淫らな音と桃花の甘い声が混ざり合って耳からも僕を犯し頭が麻痺してしまいそうだ。
『悟...さとるぅ...ゃ...こわぃ...いっぱい気持ちよくて...ッ。』
「うん。僕も気持ち良いよ。桃花と一つになれて嬉しい。」
怖いくらいに。
『さとる...さとる...。』
「桃花、好きだよ桃花。」
セックスなんて何度もシてきた。
でも、こんなにも気持ちが良くて愛おしくて満たされるなんて初めてだ。
『悟...すき...すき...っ。』
桃花から紡がれるこの“好き”がいつか僕の好きと同じになりますように。
『ゃ...奥ぅ...きもち...悟の...きもちいいよぉ...。』
「桃花をこんなに気持ち良くさせてあげられるのは僕だけだよ。僕の大切なお姫様。」
ぱちゅぱちゅと肌がぶつかり合う音も愉しみながら誰も知らない桃花の中に僕を深く刻み込んでいく。
『さとる...も...らめ...もぅ...。』
ぽろりとこぼれ落ちる宝石のような涙を舐め取り、果てへ向かって桃花と一緒に快感の荒波に身体を任せた。
『ぁあ...ッ、悟、さとるぅ...さとる...っ!』
「桃花、好きだよ、愛してる。」
一つに繋がるソコは本当に溶け合ってしまったみたいに熱くてぐちゃぐちゃだ。
何度もお互いの名前を呼び合って
何度も口付け合って
何度も視線を絡ませ合って
僕たちはまた物語の1ページを刻んだ。
眠りに落ちる眠り姫の耳元に
甘い呪いの言葉を囁いて。
「君を離さない。」