第14章 ブバルディア
くすりと笑い何事も無かったかのように出て行ってしまう冥さん。
冥さんの言っていたことは、何だか凄く大人なお話のような気がして私にはちょっぴり難しかった。
冥さんが部屋を出てまた戻った静けさも束の間、今度は思い切り扉が開き悠仁と東堂さんがドタバタと駆け込んで来る。
追いかけっこして帰って来たのかな?
「あ"ーーー!!!伏黒のえっち!!!俺たちが居ない間に何しようとしてたんですかぁ!?!?」
「そうだぞ、シスター!そんな淫らなお付き合いなんてお兄ちゃんは許さないからな!」
『お、お兄ちゃん...?』
「そうだよ!!お父さんも認めてません!!!」
あれ?
悟までいつの間に?
身体がふわりと宙に浮き恵の上から悟の腕の中へといつの間にか移動している私。
「「「伏黒くんのえっち〜〜〜♡♡♡」」」
悠仁と東堂さん、悟の3人の声がぴたりと重なる。
「うるさい!早く出てけ!!」
お顔を真っ赤にしてぷんすこする恵。
まだ傷も治っていないのに、そんなに大きな声を出して大丈夫かな?
「ねー桃花〜。僕がカッコ良く特級を退治したところ、見てくれた?」
『んぇ?恵と一緒に寝ちゃってたから見てなかった!』
「何でよっ!!“悟、かっこいい♡だいすき♡”てしてもらえるの楽しみにしてたのに!?!?」
悟、いぢけちゃった...?
「俺も!俺も桃花にカッコいいところ見てほしかった!!“悠仁、かっこいい♡だいすき♡”てしてもらいたかった!!」
「言うな、シスター。俺にはオマエの俺に対する心の声が聞こえているからな...。」
東堂さんってやっぱり少し変なゴリラさん...?
「恵も、悟も、悠仁も、東堂さんも!全員!皆んなを守るために頑張ってくれたんですね!ありがとう!みんな、だーいすき!」
心から出る感謝の気持ちでいっぱい!
「皆んな!?僕だけって言ってよ!?!?」
悟はまたいぢけちゃったみたい?
皆んなでわいわい温かくて笑顔で溢れて楽しくて、悠仁が戻って来たんだなってまた実感して嬉しかったの。
これからも皆んなで強くなれるように頑張ろうね。
これからもずっと、皆んなで一緒に居ようね。