第7章 千日紅 *
『........めぐ....、もっと.....っ....』
そう言えば離れた唇をまたすぐに重ねてくれる恵。
恥ずかしいソコをお互いに擦り付け合って求め合って。
気持ち良さを感じる身体と、不思議と満たされていく心。
『ふぁっ...ぁっぁん....めぐ、みぃ....これ、だめっ...らめっ...なに?も...気持ちいぃ...っ...』
悟にされる気持ちいいとはまた違った、まだ知らない気持ち良さが身体を震わせる。
「....っはぁ...俺もっ....俺も気持ち良い。桃花に触れてるから...。好き、好きだよ、桃花...っ...。」
『んっぁっ....!らめっ...また...キちゃぅ...っ...』
「ぅん...また見せて?桃花の可愛い顔。...俺も...もうヤバい...っ...」
恵の汗ばんだ手が、薄く開いた唇から時折漏れる切なげな声が、私を見詰める目が、どれも快感に繋がるような感覚。
『.....っ、やぁん...!めぐみぃ......!』
「.....っ、桃花....好きだ.....っ。」
絡めた指をしっかりと握り合って、私も、きっと恵も...
一番の気持ち良さを一緒に味わってしまった。
お互い乱れる息。
そのまま恵の身体が倒れ込んで来る。
「.......桃花......すごく可愛かった.....。」
ちゅっ、ちゅっ、と啄むように口付けられば、何だかとても愛おしく感じて首の後ろに腕を回してそれに応える。
「桃花.....ずっと俺の傍に居て...。五条先生とはこういうことしないで...。俺だけ....見て....。」
首筋に顔を埋めて、ギュッと抱きしめられる。
『................................。』
ずっと恵の傍に居たい。
恵が居ないだなんて、考えられない。
でも
悟が居ないことも考えられない。
恵に触れられるのは嫌じゃない。
悟に触られるのだって嫌じゃない。
自分の知っている“好き”が一体どんな“好き”なのか
恵と悟の思っている“好き”とは違うのではないかと
何だか分からなくなって、少し不安に感じた。