第3章 ひらひら
「その友人は愛とは無縁な奴だった。それがある時···初めて"恋"をした」
「······」
「だがその"恋"は"幸"を纏っていたんだ。笑えるだろ····初めて芽生えた"恋"が叶わないのは···。」
「おかしくありません。おかしくない!」
「······っ、おかしくない?」
「おかしくありませんよ。だって···その人は"恋"を自覚したんですよね?それは素敵な事じゃないですか。初めて芽生えた感情···私は大切にしたいです」
かぁあーー////
「そんなに···素敵か?··悪くないのか?その"恋"は"幸"となって··今も寄り添ってるんだぞ?」
「そしたらその"幸"に友人さんも"寄り添う"んですよ。離ればなれは怖いじゃないですか!」
···パタッ
「·····天音」
ぎょっ
「わっ!··何か私変な事言いましたか!?」
「お前に話してよかった。すまないがちょっとだけ我慢してくれないか?」