第2章 瓶の中身は何色ですか?
結局あの後半日動けない私に
杏寿郎は甲斐甲斐しく世話してくれた。
『そろそろその小袋の中何なのか教えて?』
『うむ!だが今日は教える事は出来ない!君が大変な事になるからな!動けないのだろ?今日は休んでいろ。』
優しくも力強く頭を撫でられる。その手にホワホワした気持ちになるが、
(結局何だろ、見た感じ塗り薬じゃないよね?飲み薬なんだよね〜)
{カァー!カァー!東ニ鬼出現!スグ向カエェ!!憂!撫デテクレェ!!カァー!
『よもや!お前も憂が好きか!!ははは!沢山撫でてもうがいい!許そう!!』
豪快な笑い声に耳を塞いだ。どこから声出てるんだろ。
杏寿郎の鎹鴉は彼に似て豪快だった。
器用に嘴で私の手の下に入り込んで撫で付けている。
『思ったよりもふわふわしてる!それにお日様の匂い!!鴉さんいい匂い!ふふっ!』
すりすりと頬擦りする鎹鴉と憂に近寄り顎を掬い口付ける。
『よし!そろそろ行かないとな!憂行ってくる!』
『気をつけて、行ってらっしゃい!』
走る貴方とその近くを飛ぶ鴉の背を見えなくなるまで見送ると
今日もあと少しで終わるから余った焼き芋で芋羊羹を作るべく台所へと移動した。
『あれ?だいぶ台所綺麗だな。包丁はなんで少し焦げてるんだろ?
まさかねー、、、え?こんな所に技使う人いないでしょう、
どんだけ便利なの』
考える事をやめた。