第1章 嫉妬の色は何色ですか?
『はぁ 』
口からでた溜め息は誰にも聞こえる事なく消えていった。
胸の中が重くて苦しくて
グルグルと気持ち悪い物を呑み込んだかの様に重い。
その原因はさっき見た光景のせいなのは分かっている。
恋仲である杏寿郎は鬼殺隊の柱を務めているので
中々会う事は難しい。
最後にあったのももう1週間も前の事だった。
普段は蝶屋敷で胡蝶様の下で働いてるので
怪我をした隊士達の手当てでここ最近は忙しかった事も相まってた。
『ここ最近、鬼多いなぁー、あーーー!!!憎い!鬼!憎い!』
などとブツブツ言っていたら
美しき屋敷の主人の胡蝶しのぶ様が
『あらあら、憂欲求不満なのですか?』
ふふっと綺麗な笑みをしてやってきた
手には小さな袋を持って。
『しのぶ様!そうなんですよ‼︎鬼のせいで私の杏寿郎が取られてしまうんです!もう1週間以上もまともに会えてない!
ツライ〜、私今なら無惨も殲滅出来そうなくらいです、』
そう言ってしゅんと項垂れる。
『それは頼もしいですね、そんな憂に仕事を与えましょう。これを煉獄さんに渡してください。頼まれていた物と言って頂けたら分かりますので』
受け取ったのは手にしていた小さな袋。小瓶の中に液体が入っているようだ。チャポっと音がした。
(落とさないようにしないと)
そんな事よりもこれで煉獄さんの所に行く理由ができた!!
しのぶ様もそのまま休みにしていいとおっしゃってくれて、
明日の非番もあり私は1人で盛り上がっていたのだ
そう。あの瞬間まで。