第8章 逢引ブロック!①
『違うよ。今度は自分の物だもん』
「あっそ。で、なに買うの?」
『……し、下着。もうめっちゃ可愛い奴…』
「オレ、エッチな奴の方がいいなぁ」
『ノータイムでその切り返しが出来るフロイドって、やっぱり凄いよね』
「えへへ、ありがと」
フロイドは満足気に笑って、エリーの頭にスリスリ頬擦りをする。
どうやら、同行は諦めてくれたらしい。
「じゃ、オレは大人しく待ってんね。あ、今日買って来たヤツ履いたとこは、ちゃーんと見せてもらうから。勿論、いいよねぇ?」
『……はい』
背に腹は変えられない。今日のデートの為ならば それくらい安い物だと、エリーは了承する。
フロイドは肩に手をやって、さらに続けた。
「もしも、この話も靴の時みたいに嘘だったら…オレ、ちょっと自分でもどうなっちゃうか、分かんないかも」
『分かった!分かったから!その、瞳孔を縦にキュってする奴やめて!怖い!』
「あはは。約束をちゃ〜んと守ってくれるんなら、何もしないから大丈夫」
『はぁ。もう、ほぼ脅しだよね…』
エリーは肩を落とし、とほほと呟いた。そして、さきほどから気になっていたことを問い掛ける。
『そういえばジェイドは?一緒じゃないんだね』
「知らね。べつに、いつも一緒にいるわけじゃないし。なんか用事あるとかで、私服着てどっか行ったー」
『そうなんだ』
エリーは ホっと息を吐いて、フロイドから距離を取る。
『じゃあねフロイド。行ってくるから、大人しく待ってるんだよ』
「うん♪行ってらっしゃい 人魚ちゃん。気ぃ付けてね」