第6章 伍 お館様
任務に向かう中、白音が内容を告げた
「北北東の森林!十人程隊員を送ったが消息不明、十二鬼月かもしれないヨ」
『分かった』
私は北北東へ向かった
向かう途中でも分かる禍々しい気配
白音を上へ飛ばし気配のする方へ駆け出した
すると目の前には食い散らかされた人間だったものが落ちていた
『…』
私はまだ救える命があると信じ、走り続けた
「やめろっ!母さん…ガハァッ」
また一人死んだ。これは鬼を斬るまで消えない
「アンタもいい加減諦めなさいよ。姉と仲間に斬られて死ぬなら本望でしょう?」
「っ…」
こいつは下弦の肆
自分の記憶を覗き人を具現化する血鬼術のようだ
俺は蔦子姉さんと錆兎に挟まれていた
(義勇、あなたを庇ったせいで私は幸せになれなかったのよ……)
(お前は俺の代わりに死ぬべきだった)
そうだ、俺があの時死ぬべきだった
生き残るべき人間じゃなかったんだ
最終選別も何も出来なかった
この五年間何も成長出来ていないじゃないか…
刀を持つ手が緩んだ
「ふふっ、これでおしま」
雪の呼吸 参の型 垂雪
「っ!!!!」
速い、下半身を抉られた
血鬼術は私の範囲にいるもの全てが掛かる筈なのに…
「誰だ!!!私の邪魔をするのはあぁぁぁ!!!」