第14章 無限列車
「もっともっと成長しろ」
「そして今度は君たちが鬼殺隊を支える柱となるのだ」
「俺は信じる」
聞きたくない!
その言葉、聞きたくない!
わたしは何を言うかまで知ってる
何回も読み直した
その言葉を言わせないために今までがんばってきたのに
なんで…どうして
「愛、俺は…」
『聞きたくありません!聞きたくなんか…ありません』
「俺は、もう意識を失う。そのあと、目覚めるかはわからん。聞いてほしい」
『…っ!…嫌です』
顔はぐちゃぐちゃで、杏寿郎の顔がはっきりと見えない。
「俺は言いたい。… 愛、ありがとう。愛に出会えてよかった」
杏寿郎のその言葉にハッと頭を上げ、杏寿郎の優しい顔を見つめる。
そして、杏寿郎に縋り付いて、大きな声で泣いた。
『うあぁぁん!…杏寿郎様、わたしもあの時出会えたのが、貴方でよかったです』
「あぁ…俺は愛のことが…いや、愛は俺の自慢の継子だ。後は任せた」
杏寿郎はそう言って、すぅっと眠るように意識を失った。
『ああ!…あ、あ…杏寿郎様ぁ!!』
まだ、何も伝えられていないのに
たくさん言いたいことがあったのに
まだ、好きだと伝えられていないのに
どこからともなく、隠が現れ、一番に杏寿郎を運んでいき、直ちに治療が開始された。
4人ともわんわん泣き声を上げ、隠たちに抱えられながら、任務は終わった。
そう、終わったのだ。