第12章 機能回復訓練
そして、やっと善逸に聞くことができた。
「んー愛ちゃんには特別に教えちゃう」
きゅるりんという言葉が似合う顔で善逸は得意げに話をしてくれた。
あの、足に力を込めて速く移動する技
「自分の体の寸法とか筋肉の形の一つ一つを、案外把握できてないから、それを認識してこそだって、じいちゃんは言ってた。あ、じいちゃんって俺の育手のことね」
ん?わかったようなわからんような…
「手取り足取り教えるよ〜」
ちょっとニヤニヤとした顔で善逸は言った。
『いい、遠慮しとく。要は足の形とか筋肉とかは隅々まで把握して、めちゃくちゃ力を込めて跳ぶってこと?』
「うーん、多分そんな感じ」
こりゃ参ったわ
力技だよ
全集中常中ができて、しっかり呼吸を巡らせて、爆発させる?って感じ?
練習しなきゃ、これが一番大変かも
『うん、わかった。ありがとう。やってみる』
愛はぶつぶつと考え事をしながらこの場を後にした。