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わたしは、この日のために【鬼滅の刃】

第10章 初任務 那田蜘蛛山


気がつけば長い時間、木が生い茂る中を縫うように走り回った。
人っ子一人出てこない。
人がいる気配もない。
もう一つ言うと生き物の気配もない…。

どこかで戦闘が始まっているということを肌で感じた。
この森の中で何も起こっていないということは…

川沿い!!

炭治郎と伊之助が鬼と対戦してるころだと肌が感じている。
善逸には申し訳ないけれど、方向がどうも違うらしい。

水の音に耳を澄ませるため、地面に耳をつけてみた。
かすかだが、音が聞こえる。
そちらへ向けて全速力で駆けた。

いた!

ギャッ
ガァ

刀で応戦中の二人がいた。
あのとうさんの役割をさせてされている鬼だ。

『鬼殺隊 癸 佐藤愛です。助太刀します!』
自らの剣も抜き、敵に向かって斬り付ける。

『炎の呼吸 弐の型 昇り炎天!』
デカイ敵には下からの攻撃が効く。
横からの不意打ちだったこともあり、スパンと腕が切り落とせた。
その一撃で相手に隙ができる。

『ここから…!』
愛が叫び終わる前に炭治郎が木を切り倒していた。
鬼を動きは封じることができた。

「(すごい、この子。俺たちは切れなかったのに…)俺は炭治郎。こっちは伊之助!」
「(なんだ、この女…)俺に指図するなぁー!」

炭治郎は動きを封じ込めたの勝機と見、一気に首を斬り落としにかかる。

『っ!あ、ダメ!』
近づいたら飛ばされてしまう!
知っているのに、伝えられなかった。

斬り落とした腕はすでに再生し、大木を炭治郎に押し当て、一気に飛ばされた。

「死ぬな!十二鬼月だ!二人とも死ぬなーー!!」
そう叫んで、炭治郎は森の彼方へと飛ばされてしまった。
『炭治郎!そっちに強い鬼がいる!!』
聞こえたかどうかわからないが、全力で叫んだ。

二人でこの鬼と対峙しなければならない。
この足場の悪い、川で。
なかなかに厳しい状況である。
おそらく柱の到着までには少し時間がかかると思われる。
それまで何とか持ち堪えられるか…。

いやいや、弱気になるな!
愛!
助けを待たず、鬼の首を…取るっ!
そして、早く炭治郎の元に向かわないと。
そちらが本丸!

「女…俺の邪魔をするな」
伊之助がわたしを睨みつけている。
『協力しないと倒せないよ』

「俺は女の指図は受けねぇ!」
そう言って、一人鬼の元へ飛び込んでいった。
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