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わたしは、この日のために【鬼滅の刃】

第1章 第一章 はじまり


『あぁーー!!煉獄さんかっこいいーーー!!でも、めっちゃ泣いたぁぁーー!ほんともうありえないよーー!!胸が苦しい』
「ほんとほんと!!かっこよすぎて死ねる〜!ほんと悲しすぎるぅーー!!」
愛と、その友達である美琴は映画館から出てくるなり叫んだ。
映画館の外にはネタバレを嫌う人もいるので、核心的なことは言えないが、どうしても大きな声で会話をしてしまう。

「やけ食いいこう!愛!!」
『や、今日は帰って泣くわ。明日も部活あるし。』
愛は素振りをする真似をした。
「あ〜、剣道部は大変だねぇ〜。午前中も部活だったもんね。」
『うん、じゃあまた学校で!』
友達の誘いを断り、足早に家路へ急ぐ。
『早く一人になりたい。』
制服のスカートを翻す。
思いっきり声をあげて泣きたい。
その思いが愛を駆り立てる。

『あぁ、でも死んで欲しくなかった。わたしの中では生きてる!うん、そういうことにしよう。』
『あぁ…とっと…わぁぁぁ〜!』
急いでいたので、駅の階段で足がもつれる。
そのまま、真っ逆さま___

愛は目を瞑る。
その後にくる衝撃を予想して___

ドシン___
『あいたたた…て、あれ?痛くない。』
愛が目を開けると
なぜか、夕暮れ。ほぼ日が落ちてしまい、うっすらと見える程度。
しかも、周りは田んぼ。
『ええ?何これ?ここどこ??あれ?』
戸惑いの声をあげる愛。
荷物も持ち物もない。
自分の身体と制服のみ。

見たことあるようなないような風景。
どこで見たことあるのか、記憶の中を探る。
『いや、まさかね。頭おかしくなかったかな、わたし。』

ダッダッダッ___
向こうから人が駆けてくる。
『あ!人だ!おーーーぃ……っっっ!!』
愛が見た先には人のようで人ではない何かがこちらに向かってきた。
うっすら見えるのは全身ドス黒い血で覆われていて、なぜか目は3つある。
そして、ツノも生えている。

あ、やばい。鬼だ___
直感的に感じる。
しかも、ここはただの農道。隠れるところなんて…ない。
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