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わたしは、この日のために【鬼滅の刃】

第3章 厳しい稽古


「む、気になるのか?」
『不躾に申し訳ありません。わたしが18なので、同じぐらいだといいな〜と思ったものですから。』
「年が近いと嬉しいか…19だ。」

19…映画では確か20のはず。
今は初夏。
19になったばかり。
無限列車の季節は正確にはわからないが、みんなの服装からして秋っぽい気がする。
とすると、あと1年と少し。
猶予は少しはあると思ったが、1年ちょっととは…
短い、短すぎる。
それまでにわたしは鍛錬を積んで、この方を守れるぐらい強くなれるのか…
いや、弱気になるな。
あと1年もあると考えて、策を練るしかない。
まずは無限列車に連れて行っても足手まといにならないぐらいには強くならないと。
でも、1年とちょっとかぁ…
享年20とか、改めて感じるとショックだなぁ

「…!愛!?どうした?どこか悪いか?」
ポタタタ
考え事をしていたら、知らぬうちに愛の目から涙がこぼれ落ちたようだ。
目の前に杏寿郎はいるはずなのに、最期のときを思い出して、胸が切なくなってしまった。

『い、いえ、申し訳ありません。ちょっと考え事をしていて。大丈夫です。すぐに引っ込めます。』
スッ
杏寿郎の優しい指が愛の頬にスッと触れる。
「愛もここに来たばかりで色々思うところもあるだろう。ゆっくりでいい。」
『はい、ありがとう…ございます。』

踏み入るようなことをせず、かと言って突き放しもせず、優しく包み込んでくれて、安心する。
漫画上では知り得なかった彼の懐の深さ、底抜けの明るさに救われる。
やはり、何が何でも死なせてはならない。

「(まただ。なぜか放っておけぬ。触れてしまう。千寿郎など下の子たちを構うときとまた違うような。)」
愛の涙を自らの袖で拭い、ごまかすようにポンポンと頭を撫でる杏寿郎。
ただ継子だから目をかけている、という感情以外にも何か違うものを感じる。
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