第6章 蝶屋敷
の部屋には布団が3枚並べられ、の右側には怜が、左側には千寿郎がによって腕枕をされていた。
怜:「先生これは…嬉しいですが…」
千:「僕も少し恥ずかしいです…」
:「いいじゃない、最後の夜なんだから。家族のようでしょ?いいえ、もう本物の家族ね、怜は私の妹だし、千寿郎くんは私の弟よ。それくらい、2人のことを大事に思ってるわ。」
怜:「私も先生のこと大好きです。」
千:「僕は、さんが姉上になってくれると言うなら大歓迎です。」(兄上の奥さんになってくれればそれが実現するのに…)
:「あら、2人とも嬉しいこと言ってくれるわね。さっ、今日はもう夜遅いし寝ましょう。おやすみ。」
「「おやすみなさい。」」
不思議なことに寝付けなかった2人はすぐに寝付くことが出来た。
翌日の早朝
杏:「千寿郎!ただいま戻ったぞ!」(む?おかしい、千寿郎はいつもこの時間には起きているはずだ。)
杏寿郎は気配を探して屋敷内を歩き回った。
そして辿り着いたのは…
杏:(よもや…ここはの部屋ではないか…)
杏:「失礼する。」
いつもより声を控えめにして、襖を開けるとが2人を腕枕して眠っていた。2人も安心したような顔で寝息を立てている。
杏:(まるで、2人の母のようだな…千寿郎の穏やかな寝顔を見たのはいつぶりだろうか…)
杏寿郎はきちんと千寿郎の兄をやれているつもりでいた。だけど、実際は千寿郎のことを全然見ていなかったことに気付かされた。
杏:(、君は遊がいるというのに、一体どこまで俺を惚れさせるつもりなんだ…今日が最後だ、最後だけ、少しくらいこの時間を共にすることを許してくれ)
そして、すぐ風呂に入り終えた杏寿郎は千寿郎の隣にそっと体を潜り込ませたのだった。千寿郎とに腕枕をして。