第5章 再会
:「そのままの意味ですよ。私には父はもういません。」
杏:「む?そうなのか?だがやつ…遊はきっと君を心配していると言っていたが…」
:「死んだ家族を弔いにも来ない人です。私なんかを心配なんてしてるはずがない。すみません、杏寿郎さん、この話はもうやめにしましょう。」
杏:「あぁ、分かった!すまないな!」
は普段なんでも答えてくれるがこの時ばかりはさっさと話題を切り上げていた。
それから2人は無言のままタクシーに揺られていた。
街でタクシーを降り、煉獄邸へは歩いて行った。
煉獄邸に着くと、
千:「おかえりなさい!」
怜:「おかえりなさい」
杏:「あぁ!ただいま!2人にお土産があるぞ!」
そう言って杏寿郎は手に持っているカステラを掲げた
:「2人ともよくおばあさんを看ていてくれたから、そのご褒美よ」
千:「わぁ!じゃあ僕お茶入れてきますね!みんなで食べましょう!」
そういうと千寿郎はお茶を入れるために、杏寿郎はカステラを持って台所へ行った。
台所へ移動したところで
千:「兄上、さんと何かありましたか?」
ずっと一緒に過ごしてきた兄の変化に千寿郎はすぐ気づいた
杏:「いや!特に何もない!今日は彼女の生まれた町へ行ってきたんだ!そこで、彼女の許嫁だという医者がいた!その者に婦人の看病を頼みに行ったのだ!ただ、その町へ着いた彼女の顔が辛そうでな。」
千:「許嫁!?それは何かの間違いなんじゃ…」
杏:「の前ではっきりそう聞いた!その上は否定しなかった!本当のことなのだろう!」
千:「そうですか…許嫁がいた上に、町で辛そうな顔を…さんも怜も、過去に何があったんでしょうね…」
杏:「怜にも何かあったのか!」
千:「あわわ、な、内緒です!兄上でも!」
杏:「むぅ、分かった!仕方がないな!」
2人はお茶の準備をし、居間に向かっていった。