第13章 再会
「私はみょうじなまえ。呪術高専三年なんだけど…初めまして、だよね?」
「先輩じゃん!俺昨日から高専に入ったんです!」
「私は今日から」
「あ、そーゆーことか。」
どうりで会ったことがない訳だと納得して、なまえは頷いた。特殊な学校であるからこそ、途中入学は決して珍しいものでもない。インフルエンザで初日に出られなかった自分もある意味途中入学だったとなまえは頷く。
仲間が増えるのは嬉しいことだ。同時に、失う恐怖も増えていくけれど。仲間を無くしたばかりのなまえには、二人の未来の希望に満ちた笑顔が、少しばかり眩しく見えた。
痛む頭をごまかす様に、何度か瞬きをする。
「それで、二人は何してるの?」
子供を抱っこする虎杖と、手に金槌を持つ釘崎。大分怪しげな組み合わせに、見えなくもない。
「いやーなんか、実地試験て言われてさ。ここに呪霊祓いにきたんだよね」
「実地試験…懐かしい。私も一年の時にやったなー」
「え、これって恒例行事なの?てっきりあの先生の嫌がらせかと思ったわ」
「あはは、まぁ適性とか?そういうの見てるんだと思う、多分」
それで適正がないと言われたのが私だったと、口にはしないが遠い目をするなまえ。
そして、伊地知に比べると、芯もあってキャラも濃そうな二人に、彼は仲良くなれるかなぁと親心か少し心配になる。
「それじゃあ、呪霊の気配はもうないし、終わったの?」
自分で聞いておいて、まさかこの二人が祓った呪霊は、自分が先程まで戦っていた蜘蛛の呪霊じゃないよな…と汗が流れそうになる。なまえが戦っていた呪霊は一級だ。まさか目の前にいるこの一年生が祓えたら…ちょっと泣きたくなる。もちろん、呪術師の実力が年齢に比例しないことは分かっているが。
「もちろん。パパッと終わらせたわ」
「いやオマエ、あれをパパッとって言う…?」