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花火 ー呪術廻戦ー

第3章 一週間後


一週間という日は馬鹿にできない。
一週間あれば、友達もできるし、性格が破綻しているクラスメイトにも若干の慣れが出てくる。
そして、一週間あれば、互いの実力も見えてくるもので。


「…ねぇねぇ、あの2人実力おかしくない?」

「おかしいよー。ていうか、あの2人は呪術師界隈では有名だよ。最強だって」

「…マジ?」

「マジマジ」

なまえの言葉を反復して肯定する硝子に、ポカンと思わず口が開いた。
呪術を使った組手の訓練、一年生とは思えない体術と呪力の動きで互いに一歩も譲らない動きを見せる、五条悟と夏油傑。
初めての授業ならぬ、実地訓練で呪いを一瞬で祓った時から五条は只者ではないのではと思っていたが、夏油傑も同じ類だったらしい。


「同級生が最強って…ハードル高い…」

「ほんとにねー。なまえがきてくれなかったら、私三分の一で辛かったよ」

「いや、硝子も反転術式使えるじゃん…特別感あるじゃん…」

「あーこれはセンスだよねー」

「センス…」


ただでさえイカレていないと夜蛾に言われたなまえ。
センスとは更に遠い道のりではないのだろうかと、ガクンと首を前へ倒した。


「おいこら腕置き。頭下げたら高さが足りなくなんだろ」


前へ倒した頭に、遠慮の無い重さがかかり、謙虚と誠実さを欠いた声が響く。
もう組手が終わったのかと心の中でため息をつく。


「何度も言っていますが、私の頭はアナタの腕置きではありません」

「あーでもまぁ、この高さも悪く無いな」

「聞いてる!?」

「んじゃ、今後は縮めよ、なまえ」

「聞いてない!」

「なまえー、次は私達だよ」


硝子に呼ばれて、頭のゴミを払い除けるように乗っていた腕をどかすと、硝子の後に続く。
すれ違いざまに夏油がポンポンとなまえの頭を軽く叩いていき、なるほどと呟く。何がなるほどだ。頭を腕置きにする人間はこれ以上増やさないぞと、野生動物の目で夏油を睨むと、彼はこわいこわいと全く怖くなさそうな調子で両手をひらひらと振ってみせた。


「ほんとに何なのあいつらっ!私が人間以外の何かに見えてる!?」

「なまえはね、ちょっといじられオーラが出てるかも」

「やだそのオーラ!!反転術式で祓って!!」

「無理」
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