第7章 麗しの君は 宇髄裏夢
屋敷で柱稽古での最中、那岐とやってるのを見られてから三人の嫁たちからの夜伽の誘いが多くなって来たのだ。
「胸は須磨、肌はまきを、締まりは雛鶴なんだよな」
「何言ってるんですか?宇髄さん」
おお、笑顔で怒ってやがる。
「宇髄さん。お茶でもいかがですか?」
「茶?」
「はい、紅茶という珍しい茶葉が手に入ったんです」
差し出されるまま、宇髄は茶器を受け取る。
「へー、なかなかの香りだな」
「どうです?一杯だけ」
「じゃあ、一杯だけな」
完全に油断していたのだ。
もっと警戒しておくべきだった。
ゴク。
甘さのせいで口に含んで飲み込むまで、一瞬間を置いたくらいである。
「胡蝶、このお茶ヤケに甘…?」