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炎雷落ちるその日まで / 鬼滅の刃

第59章 2人の炎をあたためて ✳︎✳︎


「は……い、」
頷いた私は彼の昂りから抜けないよう、慎重に動く。


「これで……あっ、や、ちょっと待っ……」
「すまん……もう……耐える…のが…」

敷いていた布団に両手をついた途端、ずるっと勢いよく男根が抜かれて自分の背中に温かい物が連続で3回放たれた。


後ろで深く長く深呼吸をする彼。
私は心地よさと少しの疲労から、そのまま目を瞑ったままうつ伏せに横たわる。
すると、杏寿郎さんが先程と同じように白濁をちり紙で丁寧に拭き取ってくれた。


顔を左に向け、両腕は耳の横に置き、ゆっくりゆっくり息を吸い、そしてまた同じくらい時間をかけて息をスウ……と吐いていく。
それを5回程繰り返した所で、目を開けると視線の先には真夜中でも朝日のような輝きを放つ日輪が2つ。


左手で頬杖を布団につき、同じようにうつ伏せの体勢でこちらを見る杏寿郎さんだ。右手は私の背中に当てられており、上から下に繰り返し撫でてくれている。


「杏寿郎さん」
「どうした?」

「汗もかいちゃいましたし、湯浴みしたいです」
「む……そうか」
彼の眉がやや垂れ下がり、腕の動きが一瞬止まると、少しだけ落胆の表情を見せる。


「布団」
「布団?」

「冷たくなりすぎて、こんなんじゃ寝れません」
「……すまん」
ぽんぽんと右手で布団を軽く叩けば、ますます眉を垂れ下げる彼がかわいくて愛おしい。


「だから……湯浴みの後は、杏寿郎さんのお部屋で一緒に寝たいです」
「わかった」

彼の顔が近づき、また優しい口付けがたくさん降って来る。
そうして私達は後3回程体を繋げ、湯浴みに向かう。






時刻は午前2時を過ぎた丑三つ時。
広さ15畳程の広めの浴室には、長方形のヒノキの浴槽が真ん中よりやや奥側に設置してあり、私は手拭いを髪に巻いて肩まで浸かっている所だ。
目の前には髪を頭の上で1つ結びにした杏寿郎さんが座っている。

浴室の電灯は優しく、暖かみがある橙色。
なので夜だと昼間程はっきりとは見えない為、恥ずかしさもほんの少しだけ減少。
あくまでも少しだけ、だけども。


「もう少し近くに来て欲しいのだが……」
「ふふっ、わかりました」

一歩だけ前に足を出せばあっと言う間に彼の所にたどり着いてしまい、そのまま私の体はくるっと回転し、杏寿郎さんの腕の中に収まる。
これが本当に心地よい。




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