第47章 心炎八雲、甘い色香に混ざり合う ✳︎✳︎ ＋

「あ……はぁ」

声と息を一緒に艶めかしく吐き出す七瀬に満足した俺は、また手を動かしていく。

「ん……え…そこ、も…？」
「うむ、ここはいつも通り、ほぐさなくても良さそうだ」

自分の指が侵入していく場所は、既にとろとろの甘い欲で溢れている、泉の入り口だ。
グチュ……と淫らな水音が響くと、彼女の背中が弓なりにゆっくりとしなる。

「ん……気持ち、い……」
「そうか」
「え……どうしたんですか？」

一度動きを止めると、彼女が戸惑った様子で振り返った。瞳にはこの先を求める欲情が揺れているが……

「ん？ 君の希望が聞きたいと思ってな」
「希望？」

「先程労うと言っただろう。だからどうしてほしいか言ってほしい」
「え……」

「でないと、このままだな」
「…………」

自分の悪い癖だな、といつも思う。七瀬が断れないのを知っててこういう事を言ってしまう。困る姿がかわいいなどと言えば、また機嫌を損ねるとわかっているのにやってしまう。


観念した彼女は俺の目論み通り、ふう、と深く息を吐き出して顔を前に戻す。

「………もっと…奥に…」
「ああ、それから？」
止めていた2本の指を再度動かし始めた。

「はい……もっと上……あ、そ……あん」
「ここか」

ぐるっと指を回してやり、七瀬がよく感じている部分をまさぐる。そして触れるだけにしていた左の尖りも強めにつまんで、擦ると ——

「あ…や…もう…ダメ」
「君の”ダメ”は”もっと”だろう？ 七瀬…」