第47章 心炎八雲、甘い色香に混ざり合う ✳︎✳︎ +
彼の背中に両腕を回し、体を密着させる。
杏寿郎さんの胸と腹部の筋肉は凄く固いけど、肌ざわりがとても良くて一度密着すると離れづらくなってしまう。
あたたかくてほっとする気持ちと、まだ彼が欲しい。
そんな相反する思いで胸がいっぱいになっていると「良いだろうか?」と言う杏寿郎さんからの誘い(いざない)の言葉が発せられた。
「……はい。私も杏寿郎さんとまだ繋がりたいし、気持ちよく…なりたい」
顔を上げると目の前の日輪の双眸に見えるのは、私を求めている甘くて強い欲。左頬がそっと包まれて撫でられると、口元には自然と笑顔が浮かぶ。
ちうとやわらかい唇が当たると、いつもはあまりしないのだけど口がすぐ開いてしまった。すると彼の舌がするりと差し込まれ、私の口腔内の熱も少しずつ上昇を始める。
舌を吸ったり、絡めたりを繰り返されると、自分の太ももに当たる恋人の昂りの熱も熱くなっていく。
とろとろと溢れかえった自分の蜜は、固くて熱い恋人の欲に絡め取られ、ズズッと侵入するのは質量を増したあたたかな彼の肉棒だ。
「七瀬、君が大好きだ」
「私も杏寿郎さんが大好きです」
何度も伝えたい、何度だって伝えて貰いたい。私達だけが紡げる言の葉。
「すまない、朝まで付き合ってくれ」
「……わかり、ました」
今夜も愛おしいあなたとたくさん混ざり合う、幸せな時間がまだ続いていく。
いつもかっこよくて私を甘やかしてくれる杏寿郎さんが大好きだけど、たまにかわいくなって【隙】を見せてくれる。
私はそんなあなたもやっぱり大好きだよ。
✳︎七瀬から見た景色✳︎
〜終わり〜