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炎雷落ちるその日まで / 鬼滅の刃

第36章 3日分の炎 ✳︎✳︎ +




そこかしこにある傷は小さなものばかりだが、これは彼女が必死で任務に当たっている証。俺は目の前の恋人を見て、一つ深い息を吐く。

「綺麗な体だ」

「傷、それなりにありますけど……」


そう口に出すと、照れ隠しからそんな事を言う七瀬。だろうな。君はそう言うだろうと予想していた。しかし正直な思いを伝えていく。


「それも含めて、綺麗だと俺は思うぞ。傷は君が必死で鬼と戦った軌跡だろう?」

「ありがとうございます。やっぱり杏寿郎さんは優しいです」


君は俺を大分信用しているようだ。無論それは嬉しいが…。
着流しを脱ぐと、自分の衣服がバサっとその場に落ちる。すると恋人が目を大きく見開いた。

俺は彼女を横抱きにすると、敷いている布団にゆっくりと倒していく。そして己の欲でそり上がっている男根を解放するように下着を取り払った。

行燈の光に照らされ、互いの体が浮き彫りになる。肩から腕、腰から臀部へかけての曲線を両手でゆっくりとなぞると、ピクンと体を揺らす七瀬だ。

うむ。やはり綺麗な体だな。


「優しい、か。光栄な言葉だが、こうしても同じ事が言えるか?」

「ん、」

——— 言葉に発した途端、自分の目の奥の温度がグンと上昇した。
七瀬の左側の首元に唇を這わせる。そうしてやや強めに吸い付く。

「ちょっと、そこは見え……」

「ん?そうか?ギリギリの所だと思うが」


『好きな女ってのはなあ、時々無性にいじめたくなんだよ。お前もあるんじゃねえのか?煉獄……』

いつだったか、宇髄が言っていた事がふと頭をよぎった。
……今が正にそれだな。


「もう2つ程」

「えっ?ちょっと、杏寿郎さ」

先程と同じように2回連続で、彼女の首元を吸いあげる。

ゆっくりと唇を離せばそこには ———


「綺麗な花が3つ咲いた」
はっきりと赤くなったそこを掌で柔らかく撫でた。
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