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炎雷落ちるその日まで / 鬼滅の刃

第20章 ほどけない夜が明けた後は ✳︎✳︎




「杏寿郎さん、お先にどうぞ。私、用意してきますから」

七瀬は散らばった衣服の中から、下着と寝間着を手に持ち、そそくさと部屋を出ようと準備し始めた。


「何を言う?君も一緒に行くぞ」
俺はフッと笑って、恋人の頭にポンと手を乗せる。


「えぇっ??恥ずかしいんですけど」
「もうお互い全部見ただろう?今更言う事ではないと思うが」

何を恥ずかしがる必要がある?少し考えてみた。すると即座にああなるほど、と俺は合点がいった。


「よく見える所で恥ずかしがる君もかわいいだろうな」
「どうして私の考えている事がわかるんですか?」


どうやら図星だったらしい。頭から湯気が出そうなぐらい、彼女の顔が赤面したからだ。

「どうしてわかるか、か。そうだな」
俺はまた少し考えてみる。しかし先程思案した時と同じように、その答えはすぐに出た。


「君の事をいつも見ているからだろうな。今は嬉しいのか、怒っているのか、悲しいのか、楽しいのか。それらをよく考えているぞ」

七瀬がはにかみながら、俺を見た。

どうした?照れたか?全て本当の事だぞ。



✳︎杏寿郎から見た景色✳︎
〜終わり〜

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