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炎雷落ちるその日まで / 鬼滅の刃

第18章 音柱、宇髄天元 +




時は流れて十一月上旬 ——
山々には紅葉がすっかりと色づき、朝と夕方の気温も十度以下の日々が続くようになった。そんなある日の事。


「おはよう!朝から申し訳ないが、今日はよろしく頼む」

「おう、おはよ。もしかしてお前、任務終わってそのまま来たのか?」

「そうだ!今日は昼から県外に向かう任務が入っているのだが、この機会を逃すと君にしばらく会えない!故に馳せ参じた!」

『……すっげぇ気合いの入り方だな』

先週担当地域の見回りに出かけようとしていた天元に、文が届いた。差出人は今彼と対峙している杏寿郎からである。


【宇髄へ
息災でやっているか?日々の任務で忙しない所、誠に申し訳ないのだが……】



『恥を忍んで言う!色恋に俺は大層疎い!恋愛のいろはを是非ご指導頂きたい……だもんなあ』

朝八時。
一時間前から開始していた自主稽古に区切りをつけたその時 —— 文をくれた本人が来訪したのだ。

朝にも関わらず、東の空から姿を見せた太陽と同じ色に輝く双眸。
口角がキュッと上がった口元。いつもの杏寿郎である。瞳の奥が熱く、熱く、溶岩のように燃え盛っている以外は。


「じゃーまあ、上がれや。朝飯は?」
「任務が終わり、すぐここに来たからまだだ!」

「りょーかい。今日に限ってお前の好きなさつまいもの味噌汁だ。運が良いよなーまだあるからよければ食ってくか?」

「む!いいのか?」
「おお、問題ないぜ」

門扉の前に立っている炎柱を中に入るよう促した音柱は、共に玄関へと向かった。



それから三十分後 ———
客間から天元の自室へと移動して来た二人。文机の前に座り、話を始めた。


「四十八個あるんだけどさあ、どこまで情報提供すれば良い?」
「何と……そんなにあるのか」
「おう」

予想外の数を聞いた杏寿郎は、大きな双眸を見開いて感嘆の声を発した。


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