第6章 迷いと決意
?「お帰りなさい兄上。…こちらの方が水橋 月奈様ですか?」
煉獄家に到着すると、門が開き男の子が顔を顔を出した。
月奈は驚いて、自分と変わらない身長の男の子をまじまじと見つめる。
?「あ、あの…?」
「あ!ご、ごめんなさい!初めまして、水橋 月奈です。…煉獄様の弟様…でしょうか?」
千「そうです。千寿郎と申します」
ペコリと頭を下げる千寿郎に、慌てて月奈も頭を下げる。
(それにしても…兄弟そっくり。違うのは眉毛くらい?ゆくゆくは、煉獄様のように成長されるのかしら)
隣の煉獄をチラリと見上げてそんなことを考えていると、千寿郎に話しかけられた。
千「月奈さん、とお呼びしてもよろしいでしょうか。僕のことは千寿郎とお呼びください」
ニコリと笑って言われて、つい「可愛い」と漏らしてしまう。目の前には頬を染めた千寿郎、何故か肩に置かれた手に力がこもった気がして煉獄を見上げる。
「あの…煉獄様…?」
煉「む?あぁ、すまん。先に湯浴みするといい。体が冷えてしまったな!」
千「雨に当たられたと仰っていましたね!湯は沸いておりますので、体を温めてきてください」
そう言われ、案内された湯殿はとても広々としてつい長湯をしてしまった。
(あぁ、いけない。そろそろ上がらないと。煉獄様の体が冷えてしまう)
ザバッと浴槽から上がり体を拭いていると、脱衣場へ続く扉が開き、冷たい風が入ってきた。
?「ん?誰だ!?その身長は…千寿郎か?」
湯気がゆっくりと風に流され、景色が見えてくる。
「え!?煉獄様…!?え??…もしかしてご当主様…!!?」
?「女!!?何故ここに!!」
(煉獄様ではない!!?この方がご当主様ならばご挨拶をしなければ…!)
ここで月奈は、はたと気付いた。ここは湯殿、自分は今裸体であることに。
「!!!??きゃぁぁぁぁあああ!!!!」