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【鬼滅の刃】闇を照らして【煉獄杏寿郎】

第24章 誤魔化し



煉「あ、あぁ…ここまでの任務ではなかったはずだが…」

自分より4つも年齢が下の隊士ながら、杏寿郎はカナヲの只ならぬ気迫にたじろいでしまった。

ー胡蝶もそうだが、継子のこの少女もこの先柱まで登ってきそうだな。

カ「では、これで失礼します煉獄様。ところで月奈が眠ってしまったようですので、その薬は必要ないかと思いますが念の為持っていてください」

言われてみれば腕に抱いた月奈の体から力が抜けていることに気付く。杏寿郎は慌てて口を塞いでいた己の手を外し呼吸を確認する。

炭「…月奈の気持ちが確認できたのは良かったのですが、先程の怯えた匂いが一体何だったのか俺には分からない。善逸も音で分かったんだろう?」

炭治郎に視線を向けられた善逸は頷いているが、炭治郎同様「分からない」という表情だ。杏寿郎には心当たりがあった、何故あれほどまでに拒絶をしたのか。

煉「月奈は弟が鬼になってからというもの、自責の念からか魘されることが多かった。内容について話してくれたことはなかったが恐らくは鬼になった弟や…知人が夢に出てくるんだろう。大方そんな日常に誰も巻き込みたくなかったんじゃないかと俺は思う」

炭「だからこその”睡眠薬”ですか」

杏寿郎は「せめてもの救いになればと思っていたが、まさかあんな使用方になるとは思わなかった」と苦笑した。

カ「それでは、師範に報告もありますので蝶屋敷に戻ります。後は大丈夫でしょうか?」

うむ、と頷くと杏寿郎は居住まいを正して三人に頭を下げた。

煉「急にこんなことを頼んですまなかった!おかげで助かった」

驚いた表情の三人は、少し戸惑いながらも微笑んでから部屋の窓から姿を消した。
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