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【鬼滅の刃】闇を照らして【煉獄杏寿郎】

第21章 悪夢



煉「霞柱に会った?時透無一郎だな!」

煉獄家に帰宅した月奈は槇寿郎への報告を行う為、着替えることもなく居間に居た。しかし、報告に声を返したのは一緒に部屋にいた杏寿郎だった。

「はい、藤花彫りは確かに霞と浮き出ていました。時透様とおっしゃるのですね」

煉「うむ!齢十四の少年だ、刀を握って二か月で霞柱を拝命している!」

(二か月…!?)

槇「天才というやつか。…無事に小包が小芭内に届いたという鴉が来てから随分と帰宅までに時間が空いたが、時透とやらに会っていたからか」

槇寿郎の発言に杏寿郎はピクリと眉を動かす。

ー小芭内の屋敷から時透と二人で?面識は無かったはずだが…

「会っていた、というか、道に迷っている所を助けて頂きました」

詳細を言えば二人は心配するだろう。余計な心配をさせる必要は無い、それに今回はケガをしたわけでも無いのだ。
いや、脇腹に打撲痕はあるが…出血を伴っていないからノーカウントとしよう。月奈は一人心の中で頷いた。

槇「地図を渡しただろう、それに伊黒の家までは一本道のはずだが」

あはは、と誤魔化し笑いを浮かべた月奈に槇寿郎は呆れた声を飛ばしたがそれ以上の追及は無く、月奈は部屋へと戻ることが出来た。


「はぁ、疲れた…」

頭巾と顔布を外すと解放された安堵からか自然と溜息が漏れ出した。帰りに寄った蝶屋敷で処方された打ち身に利く軟膏をカバンから取り出したところで廊下に人の気配がして月奈は顔を上げた。

煉「月奈、入ってもいいか?」

声を聞くまでもなく月奈は障子を開き、ニコリと微笑んだ。言うや否や障子が開いたことに驚き目を丸くしていたのは杏寿郎だ。上着を脱いでシャツ姿の月奈に杏寿郎は「着替え中だったか、すまない」と踵を返す。

「あぁ!大丈夫です!まだ着替えてませんから!何かお話があるのでは?」

慌てて杏寿郎の腕を掴んだ月奈は、脇腹に痛みが走り顔を顰めた。杏寿郎が振り向いた時には表情を戻し微笑んで見せたが、違和感を覚えた杏寿郎は少し目を細める。

「あ、あの…杏寿郎様?」

煉「道に迷い、時透と遭遇し…ケガでもしたのか?」

「…なんのことでしょう?」

まるで見透かすような杏寿郎の瞳に月奈は思わず視線を逸らしてしまった。
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