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【鬼滅の刃】闇を照らして【煉獄杏寿郎】

第18章 任務



蒼樹の首を切ったあの日、要に報告をお願いした後は蝶屋敷に入院していた。杏寿郎が報告を受け取った後、すぐさま清花にも文を書いて連絡してくれていたのだ。

「…ん?」

読み進めていた月奈はとある一文に目を止めた。

ーお休みが出来たら一度遊びにおいで。ゆっくりお話ししよう。

女である自分が遊郭に誘われるというのも不思議な気分だが、清花は花街から出られないから会いたくなれば呼ぶしかない。遊女に会いたいとせがまれ通ってしまう男心が少しわかったような気がする。

(血鬼術が解けたらまた任務に出る毎日になるのよね、負傷しているわけでもない今ならゆっくり会えるんだけど…)

文を握る自身の手を見つめ月奈は苦笑する。縮んだ背丈の自分では満足に武器も扱えなかったことを思い出す、自衛が出来ない状況で夜に一人で出歩くなんて自殺行為に等しい。

「あの、杏寿郎様。今日の夜は任務が入っていますか?」

煉「いや、今日は入っていない!どうした?」

「一つお願いを聞いてくださいますか?」

申し訳なさそうな表情でお願い事をしてくる月奈に、勿論杏寿郎は断るなんて野暮はしたくない。しかし、内容を聞かない事には安易に是とは言えない。

花街に連れてってほしい、という願いに疑問の表情を浮かべた杏寿郎だったが、清花の文を読んでいたことを思い出した瞬間に納得の表情へと変わった。

煉「それは構わんが、その姿で清花と会っても問題は無いのか?」

「驚かれるでしょうけれど、清花さんなら大丈夫かと。血鬼術が解けたらまた任務に入るでしょうし今しかないかなと」

煉「そうか!では、釣書の返事は今から書くといい!」

(それは鬼の所業では!!?)

今から書けと言われてすぐに書けるものでもない。それにもうじき夕餉が出来る頃だ。

千「兄上、月奈さん。夕餉の準備が出来ました!」

丁度良く呼びに来た千寿郎によって、釣書の返事をすぐに書く必要が無くなったことに月奈はホッと胸を撫で下ろす。しかし、返事を書かなければならないという問題を後回しにしただけ。

「明日の朝に返事を書いて、午後にはしのぶさんにお願いできるよう頑張りますね。さ、夕餉が冷める前に早く居間に行きましょう!!」

早口でまくし立て口を挟む隙を与えない月奈に杏寿郎は目を見張ってから苦笑した。
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