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【鬼滅の刃】闇を照らして【煉獄杏寿郎】

第3章 崩壊



「藤の花が枯れた瞬間に私の血で鬼を引き寄せて、家族は私を守って死んでいった。そんな残酷なことがありますか、私が生き残って何になるんですか!どうやって生きていけばいいの?私のせいでまた誰かが死んでいくの?そんなの嫌!!」

月奈が叫びガラス片を首に当てる。プツリと皮膚を裂いたが、次の痛みが来ることはなかった。

し「煉獄さん!そのまま抑えていてください!」

煉獄の右手は首に当てられ、左手はガラス片を持った月奈の右手を抑えている。
抱きすくめられている状態の月奈の視界は隊服の黒色しか見えない。
一瞬の出来事だった。月奈は煉獄が入口から動いたことすら分からなかった。

煉「ガラスを離しなさい」

優しく、だけどハッキリと耳元で声がした。
抑えられた右手を撫でられ、力が抜けていく。
ガラスを手放した瞬間、堰を切ったように涙が溢れた。

「…うっ…!うあぁぁぁあ!!」

涙が煉獄の隊服を濡らしていく。

煉「いい子だ…痛かったな、辛かったな。もう大丈夫だ」

月奈の右手を解放し、左手で背中をさする。
泣きじゃくる月奈の体は連日の疲れからか、大分痩せて細くなってしまっているような気がした。

しのぶとアオイは月奈の痛ましい泣き声を聞きながら、右手の応急処置と部屋の片付けをしていく。
首の止血をお願いします、としのぶは首元を抑えている煉獄にタオルを渡す。

し「明日は落ち着くでしょうか…」

しばらくすれば、泣き疲れて眠りに落ちるだろう。
今日こそは穏やかな夢を見られるようにと願いを込めてしのぶは月奈の頭を優しく撫でた。
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