• テキストサイズ

【鬼滅の刃】闇を照らして【煉獄杏寿郎】

第11章 再会



煉「準備はできたか?」

杏寿郎が廊下から声をかけると部屋から月奈が現れる。
隊服を身に着け、手には顔布と頭巾とカバンを持っている。

「準備出来ました、杏寿郎様は明日から合流でしたよね?」

煉「うむ!よもや、月奈が先に出発とはな!」

合流といっても、直接顔を合わせるというと事後処理の時くらいだろう。それに、隠はある程度の人数で動くので同じ背格好であれば遠目では誰が誰か分からない。

後「ごめんくださーい、水橋はいらっしゃいますかー」

「あ、後藤さんだ…っわ!」

玄関に向かおうとした月奈は、腕を引かれ杏寿郎の体に背中を預ける状態で受け止められる。

煉「しっかりと責務を全うするようにな。鬼は俺が倒すから心配するな」

月奈の手から顔布を掬い取ると、鼻から下を覆い隠すように後頭部で結んでやる。少しくぐもった声でありがとうございます、と月奈が御礼を言うと杏寿郎は微笑んだ。

「では、行って参ります」

門の前まで見送りに出てくれた三人の顔を見て、後藤が驚いている。「すげぇ顔一緒…」と小さく漏らした声は隣に立つ月奈にしか聞こえなかった。

槇「気をつけてな」

千「鬼殺隊は隠の方も忙しいですね、気を付けて任務頑張ってください!」

煉「後藤隊士、月奈、明日には俺も現地に入る。よろしく頼む」

三人に頭を下げて、カバンを背中に背負うと後藤とともに集合場所の駅へと向かう。

後「炎柱の家族は皆そっくりだな、驚いたわ」

隊士と行動を共にすることもある隠だが、最終確認も兼ねて隊士より前に現地入りすることもある。今日は、駅で任務用の情報を他の隠と擦り合わせると聞いている。

「あー、あれ本当に皆驚かれますよね。私も言わずもがな、でしたが。代々あの顔を継いでいるのだと考えると、後世もあの姿なのでしょうね、なんだか面白いですよね」

のんびりと歩きながら後藤に笑いかける。後藤はいつも少し気だるげな眼をしているが、今は「想像したら怖すぎだろ…遺伝子どうなってんだ」と呟いて遠くを見ていた。
眉は深くかぶった頭巾で隠れていて分からないが、きっと眉根が寄っているのではないだろうか。
/ 422ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp