第21章 スルタンコラボ企画 〜睡蓮の昼寝〜
煩わしそうに言って、
「魅せられたのは舞いにだけじゃねぇんだよ。
あの日、…あの美しい姿を
他の男の目に曝したくねぇと思った…
俺だけのモノにしたかったんだ。
確かに俺の勝手だよ。恨まれても仕方ねぇ。
でもそれでも…恨まれてでも、
俺のそばに置いておきたかった。ごめんな」
「……」
初めて聞いたこの人の想い。
ごめんと言われて、いいよと答えてしまいそうになる。
「ここに来たことで
気が滅入っているのはわかってた。
わかってたのに、すぐにちゃんとしてやれなくて
悪かった。ごめん…だから、泣きやめよ、なぁ?」
「ゔぅう…っ」
泣きやめと言われて、
余計に泣いてしまう。
この人の前でなんか泣きたくないのに。
弱みを見せたくない。悔しい。
その一心で、思い切り顔を背けてしまう私の
頑なな心をほぐすように優しくキスをする。
ご挨拶をするように瞼に唇で触れて
流した涙の跡を辿って行き
ほっぺたにそっと…。
「知らねぇとこにひとり置き去りで
怖かったんだろ?
俺がこうして来てやるから泣くな…」
優しい囁きは私の心に沁み入るよう。
からっぽになっていた胸の中に、
コトリと、宝物みたいに積み上げられていく。
それなのに、
「…自惚れないで…
あなたなんかに来て、もらっても…」
私の口からは雑言しか出てこない。
たいがい可愛げのない女だ。
「はいはい。
睦は俺の事なんか大嫌いだもんな」
そんな私を相手に
事もなげに言いながらキスを繰り返す。
まるで私の本心を見透かされているようだ。
でも、それでもいい。
形式上だけでもこの人を目の敵にしていれば
私は保たれるような気がした。
「ぁ…ん、ちょ、っと…!」
ズ、っと、指を進められて
てっきりやめてもらえるとばかり思っていて
気を抜いていた所へ、愛撫の再開。
「なんだ、このまま終われねぇだろ?
ちゃんとイかねぇとツラいぞ」
「…イく…?」
どこへ…?
なんて、首を傾げると
ふっと微笑まれて
「お前はおぼこいなぁ…」
愛しげにぎゅっと…
彼の体にうずまるほど抱きしめられた。
何がなんだかわからないうちに
急にその気になった彼にキスをされ、
シーツに付くほど割られた膝の真ん中を
深く抉られる。