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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第52章 スルタンコラボ更に追加 〜睡蓮の願い〜








いつもと変わらぬ朝。

ジャナがせっせと給仕をする中
私は黙々と彼女お手製のパンを
頬張っていた。

相変わらず美味しい。
この風味、柔らかさ、
店を出せば必ず売れること請け合いだ。

「睦様、
ヨーグルトドリンク、飲まれますか?」

「ん…」

咀嚼しながらジャナをふと見上げる。
それを見てジャナは

「何でしょう?」

不思議そうに首を傾げた。

「今日のパン、失敗でしたか?」

少し心配そうにジャナは
山になっている色とりどりのパンを凝視める。

「すっごく美味しい」

「よかった…。じゃあどうされたんですか?」

「んーん…何でもなーい」

ごくりと嚥下して、私は首を横に振る。
知らないフリをして探りを入れてみようかな。

「ジャナ、昨日の午後、居なかったわよね」

「え″ッ⁉︎いいい居ましたよ!」

「よくもまぁそんなウソをつけること」

呆れたものだ。

「ウソなんか…」

「アーディルさんに聞いたんだから
間違いないと思うんだけど?」

「アーディル様に…⁉︎」

その名前を聞いて
もう逃れようがないと察したのか
ジャナは小さくため息をつき
観念したように肩を落とした。

「わざわざお休みを取ってまで
一体何処に行ってたの?」

訊く側の私もドキドキだ。

おかしな所はないだろうか。
不自然な訊き方にはなっていないだろうか。

「いえあの…ちょっと私物を買いに市場まで…
そろそろ、足りなくなった物が出てきたから、
それを調達しに…行かせて頂きました…」

辿々しい喋り方。
私が言うのもどうかと思うが
ジャナは隠し事がヘタだ。

「ふぅん…」

でもそんな言い方をされてしまっては
表面上納得するしかない。

…なんでそんなウソをつく必要があるのか。

だって私は知っているのだ。
ジャナが街へ降りた本当の理由を。

街の視察をしていた私の愛しい王子が
ジャナをそこで見かけたと言うのだから
間違いはない。



アシルと会っていたよね?
しかも楽しそうにお話しをしながら
街の散策をしていたと聞いた。


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