第51章 .☆.｡.:..密室:*・°☆.

「わかんねぇか…。しょうがねぇな」

こんな時だというのに
ひどく優しく微笑んだ。

長い腕が私の腰に回され
易々と引き寄せる。
胡座の上にしなだれかかり全身で包まれた。
安心するのに、すごく緊張する。

逞しい腕に阻まれて
熱を帯びた口づけから逃れられなくなった。
私の舌を弄んでいた指が再び耳に伸ばされて
さっきのようにその奥をくすぐる。

その手首に手をかけてやめさせようとしても
力なんか入るわけがない。

いつのまにか絡んだ脚が
私の片足を掬い上げて隙間を作った。

息も出来ないくらいの
激しい口づけに溺れている私には
耳にあった手がその隙間に滑り込んで行くのを
気にする余裕なんかなくて

「んぅうぅ…っ」

長い指の先が
私の秘部に触れた瞬間
背中を弓形に大きく反らしてしまい
そのせいで解放された口唇からは
ため息にも似た情けない声が漏れていく。

「っ…は、ぁあ、ぁ」

全身が震え出すのを止められず
どう見てもおかしな状態だというのに
宇髄さんが私の首筋に
強めに嚙み付いたりするから…

「んやぁあ…ぁんん、」

もう逃げ出したくて…
ただ、怖くなってしまって…

「やめ…、てもう、誘っ、てなんかな…いぃっ」

私から溢れる蜜を掬い
愛芽に擦り込み始めた宇髄さんの手首を
必死に力を込めて、ぎゅうっと握った。
でも、私の背に回されていた彼の腕が伸びて
逆にその手を掴み上げられてしまい
完全に自由を奪われてしまう。

「やだ…っやぁだぁあ…！」

泣いてもやめてはもらえず
それどころか行為は進む一方で…

「欲しかったんじゃ、ねぇの…」

私の頭を自分の首元と顎とで器用に挟み込み
肩は腕で包み込んで
完全に抑え込まれた私は逃げ場もなく
ただ快感を与えられ

「いら、ない…っいらないぃ…！」

それから逃れるために
出来る限り、全身で暴れた。
効果の程は知れている。

「ウソツキ」

意地悪な囁きと共に
無骨な指が私の中に挿入された。