第27章 愛のカタチ
朝、ベッドの中に一緒にいたとは思えない
あの時睦は、そう言った。
俺から逃げて、
あの大きな柱の影に見つけた時。
俺がまるで、別人みたいだったと。
俺は俺で、変わりはしないのに、
こいつの目にはそう映っていた。
それが悲しくて、可哀想だった。
気持ちは一緒だって、
言っといたのに。
何があっても、
俺とお前の気持ちは重なっている。
目に映るもの、耳に聞こえるものを、
人は信じがち。
だからわざわざ、あんな事を言ったってのに。
眉を下げ安心しきって
寝入っている睦を抱きしめて
常備してあるブランケットで巻いてやる。
目覚めた暁には
1回で終わった俺を褒めてもらおうかなと
軽い事を考える。
好きなだけ寝かせてやりたい。
ただそろそろ起きてもらわないと、
……駐車場が閉まる…
起こさないと起きないが、
起こすのもしのびなくて、
なかなか手を出せない俺は
そんな小さな事で葛藤を始めた。
あんな妬いてもらえるのなら
こんなに求めてもらえるのなら
次の休みにも、どっか出掛けても悪くない。
かも。
☆彡