第3章 未だ信じられない現実
色々なアトラクションを巡り、お化け屋敷に入れば、
『…ーーひ、っ…ぎゃぁあぁっ!!!』
と、後方から聞き覚えのある悲鳴に、ふっと笑いを溢す。
そう言えばあの子、オバケ系苦手だったわね。
『…今の悲鳴は、「多分、芹佳だわ。きっと泣いて腰抜かしてるわね」
笑いながら色々と楽しんだ後、観覧車に向かえば、
乗り込む直前あたしの足が動かなくなった。
『紗耶…まさか』
『高所恐怖性…?』
「…わ、悪い!?」
すると三人はあたしを半ば強引にゴンドラに乗り込ませた。
今本気で、この3人を殺してしまいたい、
そんなことをわりと本気で思って、目をぎゅぅっと閉じる。
けど、このままじゃつまんない、そう思ったあたしは
思い切ってつぶってた目を開け、そっと景色を見た。
「…ーー綺麗、」
真っ暗な中にクリスマスのイルミネーションが所々に。
それは恐怖を忘れさせてくれた。
「…今日は、ありがとう」
『別に何もしてねぇよ』
『そうだ。礼は要らない』
『お礼より紗耶を…「聞こえないんだけど」
あっという間に地上に着き気が付けば閉園時間10分前だった。
「…今日は楽しかったわ。…多分一生忘れない」
『あぁ』
『俺もだ』
『忘れられへんよーに身体に刻み付け『『黙れ変態』』
景吾と国光が声を揃えて、侑士に言った。
それがおかしくて、あたしは思わず笑ってしまった。
「Merry Christmas…」
そして、あたしはそう、そっと呟いた。
仕方ないじゃない
(大嫌いなのよ、高い所だけは)